【白熱教室】「森里海連環学」~分野を超える統合学問~

イントロダクション

日時:2023/12/16/土/16:30~17:30
場所:GOALOOK学習塾

講師:倉内洋翔(Kurauchi Hiroto)
GOALOOK学習塾講師 
出身:奈良県
卒業:大阪教育大学附属高等学校 天王寺校舎
所属:京都大学農学部地域環境工学科
   森里海と文化研究会 代表
   科学の甲子園OBOG会 会長

環境問題と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか?

「地球温暖化」「海洋汚染」などのワードを思い浮かべた人も多いのではないでしょうか。一見関わりのないように見えるこれらのワードも、実は表裏一体で繋がっているんです。

講義を通して、今までは認識することの出来なかった「繋がり」を認識出来るようになってもらいます!

講義構成

環境問題について考える

環境問題とは何か?まずは思い浮かぶワードをグループで相談し、発表してもらいました。

「地球温暖化」「黄砂」「森林破壊」「海洋汚染」
「山火事」「砂漠化」「異常気象」「外来種の侵入」

などなど、多様な問題が挙げられました。

では、これら環境問題の原因は何でしょうか?
これらの問題の中からいくつかピックアップして考えてみましょう。

まずは地球温暖化から。

~地球温暖化~
講師「地球温暖化の原因の一つは?」
生徒「CO2とか温室効果ガスの増加!」
講師「そうだね。じゃあ温室効果ガスが増加してしまった原因の一つはなんだろう?
生徒「うーん、光合成をする植物が減ったこと?」
講師「それもありそうだね!では、どうして森林が減ってしまったんだろう。」
生徒「森林伐採かな。地球温暖化について考えていたけど、森林破壊にまで話が繋がってきた。」

一度原因を答えて終わりにせず、さらにその背景まで考えることで少し見え方が変わっていきます。

「原因のその原因は何だろう?」と問いを重ねるうちに、最初に挙げた「地球温暖化」という問題が「森林破壊」と関連がありそうだと気づきました。

次に「砂漠化」。

~砂漠化~
講師「じゃあ次は砂漠化の原因も考えてみよう。」
生徒「砂漠化の原因の一つにも、森林伐採があるって学校で習ったことがある!となると、地球温暖化と原因は同じって言えるのかな。」
講師「全部が同じとは言えないけど、関連はありそうだね!」

一見別々に思える問題ですが、原因を深堀していくと、その一部に森林が減っているという共通点が見えてきましたね。

こうした環境問題の間にある関連性に着目した先人たちが提唱し始めたのが、「森里海連環学」という学問なんです。

森里海連環学という新しい世界

森里海連環学とは、

「調和ある持続的な社会の構築をめざし、 森から海までの自然と人間社会の新しい関係を考えようとする学問分野」

と定義されます。

20世紀社会では”個別での“課題解決・技術革新が顕著でした。
これらの進歩は世の中を大きく発展させ、人間にとって便利な世界を作り上げた反面で、同時に環境問題を引き起こす原因になったのでは?

こういった視点から「全体最適化」「持続的な利益」を目指すのが、「森里海連環学」という新しい学問分野です。まだ誕生から20年で、これから発展していく学問といえるでしょう。これらの目標に向けて、文理などの既存の枠組みを飛び越えた考えた方が必要不可欠となります。

話を先ほどの例に当てはめると、「地球温暖化」や「砂漠化」の原因の一部は「森林伐採」と考えられました。

講師「今の話を踏まえて、森林伐採はやめた方がいいと思う?」
生徒「環境のことを考えるなら、もちろん。」
講師「皆そう思ってるけど、実際には森林伐採が進んでしまった訳だよね。なぜだろう?」
生徒「伐採するほど儲かるから?」
講師「そうかもね。将来的な環境よりも短期的な利益を考えてしまったといえるかもね。では、他の環境問題ではどうだろう?」

初めは別々に思えていた問題の中にも、関係性が見え始めてきたのではないでしょうか。

これら関係性について、森里海連環学の中での大切な考え方のキーワードとして、「繋がり」「連環」があります。

「連環」-輪をつなぐこと。また、そのもの。くさり。つぎわ。
(大辞林第三版より)

この繋がり・連環について、もう少し具体的に考えてみましょう。

繋がり・連環

森里海連環学でいう「つながり・連環」には、主に2つの視点があります。

自然・生態系でのつながり
人間・自然が相互に関わるつながり


これらの輪がそれぞれ繋がり、絡み合うことで生態系が保たれているのです。

引用:森里海連環学入門 -森里海のつながりをひもとく (4) – 京大フィールド研 (kyoto-u.ac.jp)

気仙沼を本拠地とし、主に「環境教育」「森づくり」「自然環境保全」の三つの軸で行われるNPO活動に「森は海の恋人」というものがあります。

元々漁業が盛んだった気仙沼地域。ところが昭和末期から湾内環境が徐々に悪化。その影響で養殖が盛んであった牡蠣が汚染され売り物にならない状態に。

この問題から「森は海の恋人」では、

牡蠣の養殖場がある汽水域の汚染

入り江へプランクトンを運ぶ川の重要性

川上流に植樹活動をすることで海の回復への貢献

と、海から森へのつながりに着目した活動を行い、海を急速に回復させました。

海のことを考える時には森まで視野に入れ、反対に森のことを考える時には海まで視野に入れること。このように繋がりを意識し、改めて環境問題を捉えなおすことこそが環境問題を改善していくことでしょう。

授業を通して、冒頭から考えてきた環境問題に対しても、

「繋がりを意識して環境全体を捉えること、その繋がりの中に自分がいるという当事者意識をもつことが大切である。」

というように最後は参加者全体でまとまりました。

まとめ

何気なく考えていた環境問題に対する見方が変わる授業となりました。

「様々な問題が実は繋がっていることが分かるようになった」
「新しい学問について知れて楽しかった」
「もっと知りたいと思った・調べてみたい」

というような感想が寄せられました。

実際の生活の中に潜む「つながり」について考える良いきっかけになりました!新しい視点が得られたり、グループ内でたくさんの意見が飛び交ったりと白熱教室らしさが出た授業となりました。

倉内先生、ありがとうございました。

白熱教室に興味を持った方、森里海連環学や森は海の恋人についてもっと具体的に知りたい!という方は以下からどうぞ↓

過去の白熱教室はこちら。
白熱教室 | GOALOOK学習塾のブログ

授業参考:
森は海の恋人 – 特定非営利活動法人”森は海の恋人” (mori-umi.org)
【連載】森里海連環学入門-森里海のつながりをひもとく – 京大フィールド研 (kyoto-u.ac.jp)

次回の白熱教室は1/20に開催予定です。ぜひご参加ください!!

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